シラバス情報

講義名
哲学
(副題)
授業科目区分
教養科目−人間と社会
配当年次(この年次以上は履修可)
1年
履修区分
選択
単位数
2単位
講義区分
講義
学期
2026年度後期
時間割
金曜1限
教室
大講義室

代表教員
唐澤 太輔
担当教員
唐澤 太輔

オフィスアワー
前提とする授業、密接に関係する授業
授業に関連するキーワード
生命、存在、無意識、中間領域
授業の到達目標及びテーマ
「存在」とは何か。「生命」とは何か。本講義では、私たちにとって最も「近い」がゆえに最も「遠い」事柄を見つめ、そして思考するための哲学的視座を獲得することを目標とする。また、先人たちの思索を参考にしながらも、自分自身の言葉で「語る」ことができるようになることを目指す。
授業の概要
私たちの住まう「世界」は、個々の生命(bios)の絡まり合いと重なり合いから成っている。そしてそれは、常に既に生成変化し、私たちを大きく包み込んでもいる。それを「生命そのもの(zoé)」と言い換えることもできるだろう。自己と他者、人間と人間以外のものたち、そしてbiosとzoéの関係あるいは本質的な在り方はどのようなものか。本講義では、これらの問いをめぐって、様々な〈中間〉領域に着目し、哲学を軸としながら、人類学や心理学、仏教の知見を横断しながら考察していく。
授業計画
第1回:和辻哲郎の『人間の学としての倫理学』における言説を軸として「人間」という存在者の定義について考察する。
第2回:同じく和辻の言説を軸としながら、人間の根本的な存在様態としての「倫理」について解説する。
第3回:ハイデガーの『存在と時間』を取り上げ、「存在」について解説する。その上で、人間(現-存在)の特異性について講義する。
第4回:木村敏の『あいだ』における「生命そのもの」と「個的生命」の差異および関係を講義する。
第5回:『旧約聖書』の「創世記」から、統一と無について講義する。さらにキルケゴールのいう「無への不安」とはいかなる状態かを考察する。
第6回:和辻哲郎の『風土—人間学的考察—』を取り上げ、古来人間がどのように自然に接してきたのかを講義する。
第7回:南方熊楠が思考していた未来の学としての「エコロジー」について、神社合祀反対運動から解説する。
第8回:南方熊楠の世界認識構造図でもある「南方マンダラ」と華厳思想における四種法界の思想の比較を行う。
第9回:これまでの学問領域の枠を崩し領域同士を滑らかに接続し、新たな地平を開く可能性を持つ媒体でもある粘菌の生態と可能性について考察する。
第10回:井筒俊彦の『意識の形而上学—『大乗起信論』の哲学—』における言説を軸として、根源的無分節としての「真如」とはいかなるものかについて講義する。
第11回:河合隼雄による「中空構造論」を基に、私たち日本人にとって最も身近にある(身近すぎて「遠い」)神道について概観する。
第12回:ユング心理学における元型論を軸に、人間の心にあるとされるペルソナとアニマ・アニムスの関係について解説する。
第13回:アイヌのイオマンテ やカスカの神話などを取り上げ、「動物と話す」ことや「動物に潜む贈与」について考察する。さらに、そこから立ち戻って「人間」と言う概念について改めて問う。
第14回:人間の心の深層領域に開かれる仏性(解脱した心)の内部構造について華厳思想を用いて解説する。
第15回:本講義の総復習を行う。
授業時間外の学習内容等
各自の関心領域に応じて、以下にあげる参考書に目を通してくことを勧める。
評価方法
授業への取り組み30%、課題の成果(試験・レポート)70%
履修上の注意
毎回レジュメを配布する。
テキスト
参考書・参考資料等
唐澤太輔(著)『南方熊楠の見た夢—パサージュに立つ者—』(勉誠出版2014年)、和辻哲郎(著)『人間の学としての倫理学』(岩波文庫2007年)、和辻哲郎(著)『風土—人間学的考察—』(岩波書店1979年)、ハイデガー(著)、原佑・渡邊二郎(訳)『存在と時間』(中公クラッシクス2003年)、鈴木大拙(著)『新編 東洋的な見方』(岩波書店1997年)井筒俊彦(著)『意識の形而上学—『大乗起信論』の哲学—』(中央公論2001年)、河合隼雄(著)『ユング心理学入門』(培風館1967年)、中沢新一(著)『レンマ学』(講談社2019年)
授業実施方法
対面授業