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教員名 : 石倉 敏明
教員名 : 唐澤 太輔
教員名 : 福住 廉
教員名 : 近藤 健一
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講義名
複合芸術応用論(理論)
(副題)
授業科目区分
複合芸術科目
配当年次(この年次以上は履修可)
1年
履修区分
必修
単位数
2単位
講義区分
講義
学期
2026年度後期
時間割
金曜2限
教室
会議室(2階)
代表教員
石倉 敏明
担当教員
石倉 敏明、唐澤 太輔、福住 廉、近藤 健一
オフィスアワー
前提とする授業、密接に関係する授業
授業に関連するキーワード
授業の到達目標及びテーマ
21世紀の諸芸術は、自然と文化(人工物)が密接に絡み合った同時代の現実に晒され、異質な価値観の交錯の中から新たな創造的活動を生み出し続けている。この授業では、多様な芸術実践と人文諸科学の研究方法を組み合わせることによって、いわば「美術/芸術/アート」という制度の内側と外側から広範な「複合芸術」の理論的創造性を鍛え、実用可能なものとしてゆくことを目指す。過去・現在・未来の時間軸を往還しつつ、人間性の境界や表現領域の臨界を越えて人々に大きな影響を与える様々な潮流についての理解を深め、生成しつつある新たな「複合芸術」の表現可能性を探究する。
授業の概要
本授業では現代の芸術実践と関わりのある様々な分野のテキストを取り上げ、各回の発表担当者がこれを読み込むことで、テキストに関連する幅広い領域の知識を深め、発表によってこの知識を他の参加者と共有する。担当教員は①リーディング(テキスト読解)、②ライティング(インタビュー等によるテキスト作成、または批評・エッセイの執筆)、③ディスカッション(テキストの主題に基づく発表、議論と共有)のいずれかを担当し、数週間単位で選定したテキストに関する理解を深めてゆく。
受講者は各回の主題に応じたテキストを精読し、また自身の研究テーマに引き付けながら批評的にレジュメやレビューを作成し、議論に参加することが求められる。一連の授業を通して、自身の思考や表現をしっかりと言語化するだけではなく、既存の言説や理論を相対化しつつ新たな文脈を生み出し、独自の思考と実践を生み出すための「アンダーコモニング」(知恵の共有関係)を構築する。 検討するテキストは担当する各教員が用意する。その他、各自の関心や研究上の要請に応じて各領域から関連するテキストや資料を共有する。テキストを受動的に読むだけではなく、特定の学術領域の文脈を超えて実装し、新たな価値を汲み出す創造的源泉に変えるための作法を習得する。 授業計画
第1回 ガイダンス
現在、我々が直面する「複数の自然と文化」「デジタル時代の他者性」「異なる超越性の調停」「人間的なるものを越えた視野」等の問題は、いったい何を意味するのか。中沢新一『芸術人類学』をテキストとしつつ、一連の講義の前提となる「複合芸術」という概念を明らかにした上で、様々な技術や知を横断する芸術活動のあり方について詳述する。 *以下、学生の関心と研究テーマに応じてテキストを選定し、①リーディング(テキスト読解)、②ライティング(テキストに関する批評・エッセイの執筆)、③ディスカッション(テキストの主題と発表に基づく議論と共有)のいずれかの授業を進行する。 第2回〜5回「人間と動物の<あいだ>を描く」(石倉担当) 山口・石倉・盛口編『<動物をえがく>人類学』をテキストとして任意の論文を選び、学生がそれぞれの担当を発表する。本書に即して、ジル・ドゥルーズやフィリップ・デスコラ、ティム・インゴルドによる動物と芸術表現に関する理論、生物学・霊長類学・生態学・認知科学・比較詩学・芸術人類学等の視点を参照しつつ、複数種に対する知的・感覚的態度や、人間と非人間による共通世界の構築という課題について探究する。芸術学と生物研究の境界領域において、人間に固有の認知スキーマや表象能力の獲得、認知的流動性の発生、アニマシーや可食性(被可食性)といった主題がどのように議論されてきたのかを学び、さまざまな芸術実践におけるその表現の実例を検討する。 第6回〜8回「ライティングの実践による相互批評の試み」(福住担当) インタビュー記事や展覧会レビューなど、さまざまなライティングの実践をとおして、受講生同士で健全かつ活発な批評を体験することを目指す。作品を作る制作者の視点とそれらを見る鑑賞者の視点を同時に念頭に置きながら、たんに一方的なQ&Aではなく、双方向的な対話やディスカッションを行い、第三者に届きうる文体と最適化された編集形式、そして何よりも作品や研究の本質を見出す批評眼を獲得したい。 第9回〜12回「芸術をめぐる哲学及びエコゾフィーの実践」(唐澤担当) 四方幸子『エコゾフィック・アート 自然・精神・社会をつなぐアート論』をテキストとする。フェリックス・ガタリの「エコゾフィー」、ボイスの作品とメッセージに関する解説を皮切りに、情報のフロー(創造的循環)という側面から、非人間も含めた生態的環境を扱うアートを理解する。本書に収められたさまざまなアート作品やアーティストの実践をそれぞれの学生が取り上げ、各章の主題となる「人間ならざるもの」と人間の関係を複合的に考察し、バイオアートやスペキュラティブ・デザイン、テクノロジーとエコロジーの調停といった諸問題を明らかにする。 第13回〜15回「危機と美術:当事者と傍観者、搾取性、美」(近藤担当) 今日、ますます頻発する天災や戦争、事故。美術はそれらの前で無力であることも多いが、我々がそれらを乗り越えるための力を内包することも事実である。東日本大震災やアメリカ同時多発テロ、パレスチナ・イスラエル紛争など世界各地の惨事に関連する現代美術作品を参照しつつカタストロフの表象に関する考察を行う。テキストを精読し、テクノロジーと惨事の関係、コミュニティや当事者性、惨事の表象における美や搾取性といった諸問題についても考察を行う。 授業時間外の学習内容等
・各回に検討するテキストは、発表者だけでなく参加者全員があらかじめ精読しておくこと。また、授業内で行う対話や議論に、積極的に参加すること。
・出来るだけ広範な領域に関心を持ち、展示・身体表現・映像・テキストなどの作品例をひろく参照すること。 ・狭義の美術研究にとどまらず、複合的な芸術表現・地域文化・政治・現代思想・エコロジー・サブカルチャー等への関心を育んでおくこと。 評価方法
授業内の発表と議論への参加 60% レポート 40%
履修上の注意
各回の内容や順番を変更することがあります。
発表者は、全員が購読するテキストの該当箇所をPDF化し、前もって担当教員・助手・受講生へメール等で配布すること。 テキスト
中沢新一『芸術人類学』みすず書房、2006年
山口・石倉・盛口編著『<動物をえがく>人類学 ——人はなぜ動物にひかれるのか 』岩波書店、2024 年 四方幸子著『エコゾフィック・アート ——自然・精神・社会をつなぐアート論』フィルムアート社、2023 年 ポール・ヴィリリオ著 ; 小林正巳訳『アクシデント : 事故と文明』青土社、2006年 その他は授業時に共有する。 参考書・参考資料等
C.ビショップ『人工地獄』、B.グロイス『アート・パワー』、ティム・インゴルド『ラインズ』、エドゥアルド・コーン『森は考える』、マルク・オジェ『非場所』、建畠哲編『宮川淳 絵画とその影』、福住廉『今日の限界芸術』、唐澤太輔『南方熊楠の見た夢』、奥野克巳・石倉敏明編『LEXICON現代人類学』、近藤健一、熊倉晴子他編『カタストロフと美術のちから』、椹木野衣著『震美術論』、レベッカ・ソルニット『災害ユートピア』などの他、授業で適宜紹介する。
授業実施方法
対面授業
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